Interview

「物流の未来を、動かす」代表取締役CEOが語るオープンロジ

代表取締役CEO

伊藤秀嗣Ito Hidetsugu

こんにちは!マーケティングチームの林です。今回はオープンロジの代表取締役CEO伊藤秀嗣さんをご紹介します。

伊藤さんには、オープンロジを創業したきっかけや現在携わっている業務についてなど、求職者のみなさんが気になるところをたくさんお話して頂きました。

——自己紹介をお願いします

伊藤秀嗣です。私は元々将来自立したいという気持ちが強かったこともあり、学生の時から起業に興味がありました。

自立の方法って人それぞれだと思いますが、私の場合、会社が作ったルールとかレールみたいなところに自分を合わせてステップアップするのではなく、ある程度独立して動きたかったのです。自分の能力でちゃんと生きたい、自力をつけたいという思いが強くありました。

独立して動くと言ってもタイプは様々あります。起業以外にもフリーランスとか。ですが私はフリーランスではなく、起業をして事業をやりたいという気持ちの方が勝っていました。一人でやるよりも、その方が大きいことができるのが魅力的でしたね。

しかし起業をするにしても、当時学生の私は当然ビジネス経験も無かったため、何から始めたら良いのか分かりませんでした。ですので、イチから事業を立ち上げていくフェーズに関わり、まずは経験を積むところから始めようと思いました。

そして2002年にネットエイジという、インターネット業界でビジネスを立ち上げる事業をしているベンチャー企業に入社したのです。

事業立ち上げといっても、私はあくまで一社員(最初はアルバイト入社)なので、大きなリスクを抱えることはありません。仮に立ち上げた事業が失敗しても自分にとっては、なぜ失敗したのか知る事ができる機会となり、また成功したら、それもひとつの経験として糧にすることができます。この経験ができることが入社を決めた理由のひとつでした。将来起業するときに、きっと役に立つと思ったのです。

入社後、私は雑誌の定期購読サービスを提供するECサイトの新規事業立ち上げにアサインされました。最初に就いた仕事は電話番でしたが、事業を立ち上げる段階の会社なので取引先やお客様がいなく、当然電話がかかってくるはずもありません。私を含め3人〜4人くらいのチームだったのですが、他のメンバーはみんな営業に行っていました。鳴らない電話番なんてやることがないので、始めはサイトの利用規約やFAQを作成させられていました。

結構意識が高い学生だったので、向学心もあり、色々勉強はしていて、振られた仕事はなんでもできる自信がありました。しかし、サイトのリリースに向けて利用規約やFAQの作成を振られると、なにもアウトプットすることができませんでした。Amazonや楽天のサイトを参考にしろと言われても、なんのビジネス経験もないから、そもそもどこを参考にしたらいいのかが分からないのです。結局、上司から指示を具体的に貰わないと作る事ができませんでした。この経験は社会人になって初めての挫折でしたね。

その後リリース日が近づいた段階で、まだ販売雑誌の数が足りなかったため、私も営業に行くことになりました。当時の私は営業のやり方も名刺の渡し方も知らなかったので、上司にサッとレクチャーを受けました。しかし詳細までは教えて貰えなかったため、あとは見よう見まねで覚えましたね。非常にベンチャー気質の強い会社だったので、当然教育研修があるはずもなく、基本自力でさまざまなことを身につけました。

新しく立ち上げる雑誌定期購読サイトは、掲載料無料で売れた分だけマージンを出版社に支払う成果報酬型だったため、出版社側にリスクがなく、比較的営業はやりやすかったです。しかしリスクがないからと言って、すぐOKを貰えるわけではありません。まだオープンもしていなく、説明はパワポのイメージ画像だけであり、サービス自体もメジャーなものでは無かったため、もう少し様子が見たいという出版社が多かったですね。

今でこそ、定期購読雑誌をインターネットで購入することは当たり前の世の中になりました。しかし当時はあまり定期購読すら認知されていなく、正直当時の私には定期購読をネットで売る事業の勝算もニーズもあるのか皆目分かりませんでした。ですが、新規事業を立ち上げる人は必ず勝算があって事業を立ち上げており、その理由を事業成長の過程で自分なりに要因を掴めたことは大きかったですね。実際に、前職の富士山マガジンサービスは3年前に東証マザーズへ上場するに至っています。

事業を興すにあたっては、様々な課題やビジネスチャンスなどのファクターがあります。その成長過程に直接関わることができたのは、私の貴重な経験ですね。

オープンロジを創業したきっかけを教えてください

Ito Hidetsugu

創業のきっかけは前職時代で直面した物流の課題ですね。前職で立ち上げに携わった雑誌定期購読サイトは、楽天と同じく企業(出版社)に出品して貰う販売形式だったため、お客様から注文が来たらWEB上で発注をかけていました。その発注を受けた出版社は、発注書に従って商品をピックして梱包・発送作業をします。こちらで在庫を抱える必要が無かったため、非常に手離れが良いビジネスモデルでした。

しかし物流を全て出版社に依存する形だったので、ミスが起きたり配送遅延が起きた場合に対処ができなかったのです。サイト運営側としては、朝発注した商品は当日中に送ってほしいので電話などでサポートするのですが、出版社側が発送を忘れていたり、社内で連携が取れていなかったりして問題が起こることが多々ありました。当然購入した人からは「雑誌が来ない」「間違った商品が届いた」などのクレームが入ります。

商品在庫の管理も全て出版社任せで、こちらの管理画面のステータスも在庫が有るか無いかの2択しかありませんでした。在庫の有無は、管理画面から手作業でステータスを変更しなければいけなかったのですが、出版社側で日常的に在庫管理がされていないため、ステータスが在庫有りの状態なのに、実際は商品が無いということもザラにありました。当然お客様からのクレームも多く入ります。

前職の事業は成長していましたが、このような物流の課題がボトルネックとなり成長を妨げていました。

当時私は、職種に縛られず色んな業務をやっており、事業開発のようなこともしていたので、物流の課題も解決したいと思いました。以前より出版社から、日々の梱包作業や在庫管理は大変だという話をよく聞いていました。ですので、まずは倉庫を探して契約をし、商品の受注や出荷・在庫管理などを全て一元化して、雑誌の物流のオペレーションを標準化しました。

仕組みが出来た後、倉庫に物流業務を行う場所を設けたので、ここに毎月指定した部数を送ってくださいと出版社にお願いをしました。この提案は多くの中小の出版社から「在庫管理や梱包などの物流業務を任せられるのは便利だね」と受け入れられ、スキームに乗っていただくことができました。

物流業務を全て一元化し標準化したことで、物流の課題が解決され、在庫管理も明確になり、配送や注文のミスや漏れがなくなったため、ユーザビリティーも向上し、結果的に事業はさらに成長しました。

この経験がオープンロジの原体験であり、創業のきっかけにもになっています。

昨今、EC業界は急激に成長してきており、その大半は中小事業者が占めています。そして多くの事業者は自分たちで商品の梱包や出荷作業を行っていて、その負担は大きいものです。その負担を軽減するために、物流業務を倉庫会社にアウトソーシングできれば問題は解決しますが、実際はそう簡単にできません。ですからオーダーがあったら結局は自分たちで梱包して、出荷してというをやらなければいけないのです。この状態はまさに前職の経験のデジャブと言えます。

一方、倉庫会社も中小企業の仕事を受けたがらず、見積もりをとることさえしないという現状があります。倉庫会社からすれば規模の小さな仕事は採算が取れないので、受けたがらないのは当然のことです。ですがこの状況を解決しないと、中小企業の抱える物流の課題は解決しないのです。実際日本では、この課題に解決しているサービスはありませんでした。

しかしEC市場は急速に拡大しています。中小企業や倉庫の抱える課題も、比例して深さを増していくでしょう。私はこの2点に目を付けてオープンロジを立ちあげたのです。

——現在業務は具体的に何をされていますか?

現在、私のミッションは2つあります

1つ目はマネジメントチームを強固なものにし一丸となって、ビジョンを実現する組織を作っていくということです。オープンロジで掲げているビジョンは「テクノロジーを使い、サイロ化された物流をネットワーク化し、データを起点にモノの流れを革新する」というもので、このミッションを達成するための事業は、到底一人で作れるものではありません。

私は、大きなミッションを達成するためには幹が大切だと思っていて、その成長する幹がマネジメントチームだと考えています。そのためにこの一年は、130~140人くらいのCxOクラスの人たちの面接をして、選りすぐりのメンバーを迎え入れました。

しかし、優柔なメンバーを入れたからそれで終わりというわけにはいきません。私が仕事をどのような目線で見ているのか、どういう判断をしているのか、この事業において必要なことは何なのか、足りないものは何かなど、仕事を通じたコミュニケーションを密に行う必要があり、これも仕事のひとつだと思っています。

2つ目は会社の成長に合わせた組織や仕組みを作ることです。今までは業務フローや意思決定の仕組み、オペレーションやサービス品質の改善などの点において、業務の仕組化や組織化ができていませんでした。それでも少人数のうちは成立していましたが、人数が増えるとそうもいかなくなってきます。

今までオープンロジは、口コミで事業を成長させてきました。その成長に合わせて人員は増やしてきたため、全員オペレーションはできます。しかし、実際にやっている業務を仕組化したり組織化したりするのは難しいと課題に抱えるメンバーが多くいました。その課題を解決すべく、新たにマネジメントチームを作り上げたという経緯があります。

現在オープンロジは、仕組化・組織化が必要なフェーズに来ていると思っています。ですので、しっかりとマネジメントチームを強化し、今後の事業の成長を見据えた組織や仕組みを作り上げていきたいと思っています。

ですが、私も一緒に現場に入って実際にどのようにやっているのか理解しないと、どういう仕組みや組織を作ったら良いのか分かりません。ですので、そういった意味でもきちんと現場に入り、一緒に仕事をやりながら、共に組織を作っていくことを意識しています。

——今後の目標を聞かせてください

Ito Hidetsugu

5年後を見据えた目標があります。それは我々のビジョンである「テクノロジーを使い、サイロ化された物流をネットワーク化し、データを起点にモノの流れを革新する」ことです。

そしてミッションとしてブレないのが「物流の未来を、動かす」ことです。ミッションとは、会社がなんのために存在しているのかということを表していると、私は考えています。

将来的に物流の世界には、ITとかテクノロジーといったネットワークが必ずなければいけないと思っています。現在のアナログで人手を頼りにした物流網は、今後疲弊していくばかりで、急成長しているECに合わせて拡大していくことは難しいでしょう。日本の宅配便の年間宅配個数は43億個と言われており、EC化率が日本は約6%、アメリカでは約12%、中国では約23~24%と言われています。

ECはすごく便利ですし、これからもっと伸びていくというトレンドがあります。つまり、EC化率6%という現状の数字が12%になるという未来や、今の年間宅配個数が2倍になるという事態が容易に想像できるのです。

その世界がいずれ到達し得る現実が、今突きつけられているといっても過言では無くなってきています。その未来が現実になったときに、ドライバーを2倍に増やすことは簡単にできません。では何が必要なのかと言えば、ITやテクノロジーです。

現在の人手に頼ったアナログな物流に、ITやテクノロジーを入れてネットワーク化することが、未来の物流の鍵になります。この未来を我々は作りたいし動かしたい。これが我々が掲げているミッション「物流の未来を、動かす」ということです。そして、それに繋がる5年後のビジョンが「テクノロジーを使い、サイロ化された物流をネットワーク化し、データを起点にモノの流れを革新する」ということなのです。

今、荷主と倉庫と配送業者は分断されてサイロ化している現状があります。皆それぞれ仕事を受けるのに一生懸命で、横のつながりも無ければ倉庫間の繋がりすらありません。それゆえに物流で非効率な状態が起きています。

このように我々は明確な課題を持っているのです。そのサイロ化された物流をネットワーク化して、データを起点にモノの流れを革新すること。具体的な物流の未来をビジョンに据えて、我々はこれを実現したいと考えています。

——オープンロジメンバーに向けて一言お願いします

バリューの1つに「Have fun, Make joy - 喜び、楽しむ -」というのがありますが、やはり仕事は楽しむものですし、お客様にちゃんと喜びを届ける、満足してもらえる、こういう仕組みを作るのが事業だと思っています。スタートアップにはそれを作ったり、主体となって動ける環境があります。

これから組織化・ルール化・仕組化はやっていかなければいけないところですが、オープンロジはビジョンに向けてまだ動き始めたばかりで、富士山でいうところの1合目みたいなものです。人数もこれから増えていきますし、成長に向けた課題もたくさん出てくるでしょう。

現在オープンロジは「事業が安定してます、あとは運用するだけです」みたいなフェーズではなくて「事業を興す、成長させる、業界をいい方向に変えていく」段階にあります。この段階を乗り越えていくためには相当のエネルギーが必要ですし、クリエイティブさが求められます。

大なり小なり働いている会社には色んな不満があると思います。不満がない人なんていないでしょう。ですが、課題があるから他責にするのではなく、どうやって解決したらいいのかを考えて欲しい。次に何をするかが大切なのです。

私は社長ですが、自分の思い通りに動く軍隊のような会社はありえないと考えています。人間は機械じゃないですからね。人と事業を作ることは、思い通りに行かないことの方が圧倒的に多いです。だからこそ面白いし、チャレンジだと言えるのではないでしょうか。

物流業界における非合理的な今の現状に対して、変えられる可能性やチャンスが我々のポジションにはあります。ですので、とにかくその過程を楽しんで貰いたい。バリューの1つでもある「Have fun, Make joy - 喜び、楽しむ -」を意識して、メンバーには仕事も人生も思い切り楽しんで欲しいですね。

——最後に求職者に向けて一言お願いします

創業して6年経ちましたが、オープンロジは富士山で言えば1合目に到達したばかりの段階で、まだまだ成長していかなければならない段階にあります。また、物流という大きな市場に対してはITやネットワークによる変革の余地がものすごくあって、事業機会も大きいです。

その中、我々は物流のプラットフォームというポジションでファーストポジションをとれていて、モノの流れでみたら起点となる真ん中にいます。ですので、これから入ってきていただく方には、事業を一緒に作り、成長させていく要となるメンバーになって欲しいと思っています。事業自体が成長する中で揉まれた経験というものは貴重な経験であり、これからの人生できっと役に立つはずです。

実のある経験をするためには、事業が伸びているか伸びていないかという部分は結構大事なところだと言えます。事業が伸びていないと色んな機会やチャンス、事業を拡げる新規事業、人が増えてきたことによるマネジメントなど、キャリアにおいて成長する土壌というものが提供できません。その点、オープンロジは提供することができます。

私は成長意欲がある人は、事業が伸びているスタートアップに入るべきだと考えていますし、オープンロジに来て貰いたいと思っています。そこで優秀なメンバーと一緒に仕事をして、切磋琢磨して欲しいですね。成熟した組織には無い環境で自分を磨くことで、自分自身の伸びしろや可能性はグッと成長するはずです。